資源循環のコラム
廃掃法・リサイクル法・ヤード条例の実務

【033】雑品スクラップ

スクラップヤードでは、金属だけでなく、家電や機械のように複数の素材が混ざった「雑品スクラップ」も持ち込まれます。鉄や銅に加えてプラスチックやゴムが含まれているため、分解して素材ごとに分ければ価値が出ますが、混ざったままでは金属としての価値が下がり、状態によっては「廃棄物」と判断されることがあります。

 

また、取引が成立する「有価物」であっても、雑品スクラップの屋外保管には火災や環境への影響があるため、現在は届出や許可などの管理が求められています。

 

スクラップヤードでは、資源として扱えるかどうかの判断に加えて、適切な保管と安全管理が重要になります。

【032】金属スクラップ

金属スクラップを扱うときにまず確認したいのは、それが「有価物」として流通するのか、「廃棄物」として扱われるのかという点です。見た目は同じ金属の山でも、この判断によって法律上の扱いは大きく変わります。

 

鉄くずや銅線のように市場で売買され、買い手が存在するものは「有価物」ですが、錆びや破損が進んで価値がつかず、持ち主が処分したいと考えている場合は「廃棄物」と判断される可能性が高くなります。

 

スクラップヤードの仕組みや関連する法律を理解するためには、まずこの「資源として扱えるのか、それとも廃棄物なのか」という基本的な視点を押さえることが重要になります。

【031】金属盗対策法

金属盗対策法は、正式名称を「金属等の盗難防止に関する法律」といい、2026年6月から施行されました。太陽光発電施設や工事現場で相次ぐ銅線・銅管の盗難を防ぎ、盗品がスクラップ市場で現金化される流れを断つことを目的としています。

 

この法律では、盗難品がスクラップとして流通するのを防ぐため、銅などの特定金属を買い受ける事業者に対して、売却者の本人確認や、日時・品名・数量などを記録した帳簿の保存を義務づけました。

 

そのため、対象となる金属を扱う事業者は、古物商や自治体のスクラップヤードの許可を持っている場合でも、別途、所轄警察署へ「特定金属くず買受業」の届出を行う必要があります。

【030】古物営業法

使用済みのモノは、「有価物」として扱われる場合でも、原材料として再利用(リサイクル)されるモノと、そのままの製品として再使用(リユース)されるモノがあります。「古物営業法」は、後者の再使用(リユース)についてルールが定められていて、この取引には「古物商」の許可が必要になります。

 

たとえば、壊れた家電は破砕や選別を経て鉄やアルミなどの資源として再利用されますが、まだ使える家電は中古品として再使用され、古物商の管理のもとで流通します。自動車も同じで、解体されて資源になる場合と、整備されて中古車として再び使われる場合があります。

 

このように、使用済みのモノがどのルートをたどるかによって、関わる法律や必要な許可が変わってきます。再使用(リユース)されるモノは、盗難品の流通を防ぐために「古物営業法」というルールのもと、「古物商」の許可を持った事業者によって、私たちの身近なところで安全に循環しています。

【029】プラスチック循環法

私たちの日常生活では、食品トレーやペットボトル、コンビニでもらうスプーンなど、さまざまなプラスチック製品が使われています。軽くて便利な一方、使い終わったプラスチックの多くが焼却されたり、埋め立てられていたため、環境への影響や資源の無駄遣いが世界的な問題になっていました。特に使い捨てプラスチックの増加は、社会全体で対策が必要な課題として指摘されていました。

 

この問題に対応するため、2022年に「プラスチック資源循環法(プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律)」が始まりました。プラスチックを「作る→使う→捨てる」という流れ全体を見直す仕組みで、事業者には使い捨てスプーンやストローの削減、メーカーにはリサイクルしやすい設計への転換が求められています。コンビニでカトラリーの提供方法が変わったり、容器の素材変更が進んだのもこの法律の影響です。

 

回収されたプラスチックは素材ごとに選別され、新しい製品の材料として再利用されるほか、化学的に分解して油やガスのエネルギーとして使う技術も広がっています。使い捨てが当たり前だったプラスチックを、資源として循環させる暮らしへの転換が全国で進んでいます。

【028】小型家電リサイクル法

使わなくなったスマートフォンや古いデジタルカメラ、ゲーム機などの小型家電には、金や銀、銅、レアメタルといった貴重な金属が含まれています。しかし、かつては多くが普通のごみとして捨てられ、資源が埋立地に埋もれてしまう「都市鉱山」の問題が指摘されていました。

 

この状況を改善するため、2013年に「小型家電リサイクル法(使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律)」が始まりました。駅や市役所、家電量販店などに専用の回収ボックスが設置され、不要になった小型家電を手軽に提出できる仕組みが整えられています。自治体や認定事業者が回収を担い、資源性の高い機器を確実に集める体制がつくられました。

 

集められた小型家電は専門工場で解体・選別され、取り出された金属は新しいスマートフォンや電子機器の材料として再利用されます。家庭で眠っていた機器をごみとして捨てるのではなく、社会を支える資源として生かす流れが、この法律によって全国に広がりました。

【027】自動車リサイクル法

普段乗っている車も、役目を終えて廃車になるときはそのまま捨てることはできません。車には鉄やアルミなどの資源だけでなく、爆発の危険があるエアバッグや、地球温暖化の原因となるフロンガスなど、特別な処理が必要な部品が多く含まれています。かつてはこうした危険物や資源が十分に処理されず、環境への影響や資源の損失が問題になっていました。

 

この課題に対応するために2005年に始まったのが「自動車リサイクル法(使用済自動車の再資源化等に関する法律)」です。廃車の処理に関わる事業者は、引取業、フロン類回収業、解体業、破砕業の区分ごとに許可制や登録制が導入され、専門業者だけがそれぞれの工程を担える仕組みになりました。車の引き取り、フロンガスの安全な回収、部品の取り外し、車体の破砕までが決められた流れで行われ、使える金属や部品は丁寧に回収されます。

 

廃車をただのごみとして扱うのではなく、危険物を確実に処理しながら資源として生かす仕組みが、この法律によって全国に広がりました。

【026】建設リサイクル法

建物の建設現場・解体現場では、コンクリートや木くず、アスファルトなどの大量のごみが出ています。かつては、こうした建設・解体ごみが十分に分けられないまま一度に捨てられ、埋立地が不足する大きな問題を引き起こしていました。建設業の規模が大きいだけに、廃棄物の扱いを改善することは社会全体の課題でした。

 

この状況を改めるために作られたのが「建設リサイクル法」で、正式名称は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」といいます。一定規模以上の建設・解体工事では、コンクリートや木材、アスファルトなどを現場で種類ごとに分別しながら解体し、確実にリサイクルへ回すことが義務付けられています。元請業者が責任を持って分別と処理ルートを確保する仕組みです。

 

現場で分けられたコンクリートは砕かれて道路の土台になり、木材はチップ化されて建材やバイオマス発電の燃料として利用されています。建設現場から出る膨大な廃棄物をただ捨てるのではなく、社会を支える資材として再び役立てる流れが、この法律によって全国に広がりました。

【025】食品リサイクル法

飲食店や食品工場、スーパーから売れ残りや調理くずが毎日のように出ています。かつてはこうした食べ物のごみがそのまま燃やされたり埋め立てられたりしており、環境への負担や資源の無駄が大きな課題になっていました。

 

この問題に向き合うために作られたのが「食品リサイクル法」で、正式名称は「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」といいます。食品を扱う事業者には、ごみを減らす努力に加えて、どうしても出てしまう食品廃棄物を資源として生まれ変わらせる役割が求められています。

 

捨てられるはずだった食べ物のくずは、家畜のエサや肥料になるほか、近年ではガスを発生させて電気などのエネルギーとして再利用する取り組みも広がっています。食べ物をただ処分するのではなく、社会全体で賢く循環させる仕組みが、この法律によって整えられています。

【024】家電リサイクル法

テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンといった、いわゆる「家電4品目」を処分するとき、消費者はリサイクル料金と収集運搬料金を支払う必要があります。

 

かつて不要になった大型家電はそのまま埋立地へ運ばれ、製品に含まれる金属やプラスチックが十分に生かされないまま捨てられていました。しかし、埋立地の逼迫や資源の無駄が問題となり、この状況を改めるために2001年に「家電リサイクル法(特定家庭用機器再資源化法)」が施行されました。

 

この法律では、家電を適切に再資源化するために関係者の役割が明確に定められています。消費者はリサイクル料金と収集運搬料金を負担し、家電を正しいルートで引き渡します。小売店は排出された家電を引き取り、メーカーへ運搬します。メーカーは受け取った家電を分解し、鉄や銅、樹脂などの有用な資源を回収します。

 

消費者が支払う費用は、これらの工程を適切に運用し、家電をただのごみで終わらせず新しい資源として生まれ変わらせるために使われています。この法律によって、大型廃棄物の減量と資源の効率的な再利用が全国で進むようになりました。

【023】容器包装リサイクル法

ペットボトルや缶、プラスチックのトレーなど、容器や包装のごみは、使い捨ての暮らしが広がった1990年代に一気に増え、埋立地が足りなくなるという深刻な問題を生みました。その状況を変えるために生まれたのが「容器包装リサイクル法」です。

 

正式名称は「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」といいます。この法律は1995年に成立し、地域の住民、市町村、そして企業が協力して資源を循環させる仕組みをつくりました。市町村がきれいに分別収集した容器包装を、企業が費用を負担して新しい材料へと再商品化するという役割分担が定められています。

 

私たちが今では当たり前のように行っている「ペットボトルや缶を分別して捨てる」という習慣は、この法律によって全国に広がりました。

【022】リサイクル法

1990年代、ゴミの量が急増し、埋立地が不足したことで「使い捨て中心の社会」は限界を迎えました。廃掃法(廃棄物処理法)は一般廃棄物や産業廃棄物の処理を定めていますが、モノごとに異なる性質や資源価値までは十分に扱えず、より細かな仕組みが必要になりました。

 

そこで導入されたのが、対象物ごとに回収や再資源化の方法を定めるリサイクル法です。現在は、容器包装・家電・建設資材・食品・自動車・小型家電の6つが整備され、ペットボトル、テレビ、解体資材、食べ残し、車、スマホなどについて「誰が回収し、どう再利用するか」が明確にされています。廃掃法の基本的な枠組みを土台にしつつ、対象物の特性に応じた役割分担を細かく定めることで、リサイクルが確実に進むようになりました。

 

近年は、事業者に省資源化を求める制度や、使い捨てスプーン削減を進めるプラスチック資源循環法など、新しい取り組みも広がっています。廃掃法と各リサイクル法が補い合いながら、社会全体で資源を大切にする流れが続いています。

【021】建設廃棄物

建設現場や解体現場で出る木材、コンクリート、金属、石膏ボードなどは、原則すべて産業廃棄物です。法令上の排出事業者は元請業者とされ、分別や処理ルートの確保を一元的に担います。

 

そのため、建設廃棄物を下請業者が運ぶ場合は「他人の廃棄物」を扱うことになり、原則として収集運搬業の許可が必要ですが、元請業者自身が運ぶ場合は、自社の廃棄物の運搬となるため許可は不要です。

 

コンクリートや木材は分別解体と再資源化が義務付けられていますが、混合廃棄物や石膏ボード、アスベスト含有物は処理が難しく、計画的な対応が欠かせません。建設廃棄物は量が多く環境負荷も大きいため、元請業者が責任を持って適正処理を進めることが重要です。

【020】災害廃棄物

災害で生じた廃棄物は、生活系は一般廃棄物、事業系は産業廃棄物として扱われ、区分は災害時でも「もともとの排出主体」で決まります。

 

ただし、災害では家屋の破片や家具、土砂、家電などが未分別のまま大量に発生し、住民や事業者が通常どおり排出者責任を果たすことは現実的ではありません。生活系の災害廃棄物は市町村が主体となって処理し、事業系についても復旧のために市町村が公費解体や収集・処理を支援する場合があります。

 

処理量が膨大なときは、国が自治体と連携し、仮置場の確保や広域処理の調整などを行います。災害廃棄物は、排出者責任の原則を踏まえつつ、公的支援が柔軟に適用される特別な領域です。

【019】産業廃棄物管理票(マニフェスト)

産業廃棄物管理票(マニフェスト)は、排出事業者が自分たちのごみ(廃棄物)の行き先を最後まで確認するための伝票です。収集運搬や処分の工程ごとに業者から控えが戻ってくる仕組みになっており、廃棄物が適切に処理されたかを追跡できます。

 

廃棄物を業者に渡すたびにマニフェストを発行し、戻ってきた控えを確認することは排出事業者の義務です。もし控えが戻らない場合は、処理が途中で止まっている可能性があるため、すぐに状況を確認する必要があります。

 

マニフェストは、排出事業者が最後まで責任をもって処理の流れを見届けるための大切な制度です。

【018】処分業の許可と処分施設の許可

廃棄物の処分には、中間処理と最終処分があります。中間処理で廃棄物のかさを減らしたり分別したりしたあと、最終的に埋立やリサイクルなどの行き先を決めるのが最終処分です。

 

他人の廃棄物を代わりに処分する事業を行う場合は、都道府県から処分「業」の許可を受ける必要があります。どの廃棄物をどれくらい処理するのか、事業計画を提出して審査を受けます。

 

さらに、処分「業」の許可とは別に、一定規模以上の処理施設をつくる際には処分「施設」の許可も必要です。施設の構造や設備、周辺への影響が基準に適合しているかを確認するための許可で、これは他人の廃棄物を扱う場合だけでなく、自社の廃棄物を自分の敷地で処理する場合でも求められます。

【017】中間処理業許可

廃棄物の「処分」には、「中間処理」と「最終処分」があります。中間処理は、廃棄物を砕いたり、圧縮したり、選別したりして、性質や形状を変える工程です。最終処分は、埋立や再生など、廃棄物の行き着く先を決める工程です。

 

中間処理業の許可は、この「中間処理」を事業として行うために必要な許可です。事業者は、どの処理を行うのか、どの設備を使うのか、どれくらいの量を扱うのかを事業計画として都道府県に示し、基準に適合しているか審査を受けます。

 

中間処理は敷地内で廃棄物を直接扱うため、設備の安全性や管理体制が重視されます。どの処理を行うかを明確にし、施設の構造や管理方法を整えることが許可取得の第一歩になります。

【016】収集運搬業許可

収集運搬業の許可は、他人の廃棄物を代わりに運ぶ事業を行うために必要な許可です。事業者は、どのように運搬するのかを「事業計画」として都道府県に提出し、審査を受けます。

 

この許可は、廃棄物を積み込む場所と降ろす場所のすべての都道府県で必要となります。たとえば東京都で積み込み、千葉県へ運ぶ場合は、東京都と千葉県の両方で申請します。途中で通過するだけの埼玉県の許可は不要です。

 

収集運搬業許可は、運搬の途中に保管の工程があるかどうかで区分が分かれます。現場で積み込み、途中で降ろさず処理場へ直行するのが「積替え保管なし」です。途中で敷地に降ろして一時保管し、積み替えて運ぶ場合は「積替え保管あり」となり、保管施設の基準に沿った申請が必要になります。

【015】廃棄物事業の許可制度

ごみ(廃棄物)を扱う仕事には許可が必要な場合と、いらない場合があります。その要否は「自分のごみか?」「他人のごみか?」で決まります。

 

自分が出した廃棄物を自分で運んだり処理したりするだけであれば、基本的に許可は必要ありません。しかし、他人が出した廃棄物を引き受けて、運んだり、燃やしたり、リサイクルしたりする場合は話が変わります。

 

たくさんの他人の廃棄物を扱うとなると、もし適当に扱われたときに環境や近隣に大きな悪影響が出てしまいます。だから、きちんとした設備や知識を持つ事業者だけが許可を与えられます。

【014】処理と処分

廃棄物の事業では、「処理」と「処分」という言葉が区別して使われます。日常では同じような意味に聞こえますが、法律では指している範囲がまったく異なります。

 

「処理」は、ごみが発生してから最終的な行き着く先が決まるまでのすべての工程を指します。トラックで運ぶことも、工場で加工することも、資源として再利用することも、すべて「処理」に含まれます。ごみの流れ全体を包む大きな言葉です。

 

一方で「処分」は、その中の後半部分だけを指します。運ばれてきたごみに実際に手を加える作業のことで、「中間処理」と「最終処分」に分かれます。

 

細かく砕いたり燃やしたりして形を変えるのが「中間処理」で、残ったものを埋め立てたり、加工して新しい材料や燃料として再利用するのが「最終処分」です。

【013】輸入廃棄物

海外から日本へ持ち込まれる廃棄物は、原則としてすべて産業廃棄物として扱われます。

 

旅行者の携帯品や船舶などの乗組員が出すごみといった一部の例外を除き、家庭ごみのように見えるものであっても、輸入された時点で一般廃棄物には分類されません。これは廃棄物の越境移動に特別なリスクが伴い、より厳しい管理が必要とされるためです。

 

輸入廃棄物は、国内で発生した産業廃棄物と同様に、許可を受けた事業者が収集運搬や処分を行います。

 

輸入の手続きでは、バーゼル法に基づく事前同意に加え、廃棄物処理法に基づく環境大臣の承認や許可が求められ、国内に入った後も、産業廃棄物としての保管基準や処理基準を遵守して適正に管理しなければなりません。

【012】バーゼル条約

バーゼル条約は、有害廃棄物が国境を越えて移動する際のルールを定めた国際条約です。1989年にスイスのバーゼルで採択され、1992年に発効しました。背景には、先進国から途上国へ有害廃棄物が不適正に輸出され、環境汚染や健康被害が起きた問題があります。

 

この条約では、廃棄物を輸出する前に、輸入国の書面による事前同意を得ることが義務づけられています。また、不法な取引があった場合は、輸出国が廃棄物を引き取る責任を負います。日本では「バーゼル法」により、この仕組みが国内で運用されています。

 

近年は、廃プラスチックや電子機器廃棄物(e-waste)も規制対象に加わり、2025年からは非有害とされていた電子機器廃棄物もすべて事前同意が必要になりました。企業での輸出入業務においても、該当性の正確な判断や適切な処理ルートの見直しが不可欠となっています。

【011】特別管理廃棄物

人の健康や生活環境に影響を及ぼすおそれがある廃棄物を特別管理物といい、特管物(とっかんぶつ)などと略して呼ばれています。このような廃棄物は爆発性や毒性、感染性などの危険性があり、通常の廃棄物よりも厳しい基準で管理する必要があります。

 

代表的な例として、医療機関から出る使用済みの注射針や血液が付着したガーゼなどの感染性廃棄物や、有害物質を含む汚泥、廃油、廃酸といった特別管理産業廃棄物があります。感染性廃棄物などは特別な容器で保管し、専用の方法で処理する必要があります。

 

どの廃棄物が該当するかは政令で細かく定められているため、まずはこの区分を正しく理解することが適正処理の第一歩です。廃棄物のリスクを正確に把握し、安全を最優先にして処理することが求められています。

【010】PCBが染み込んだ廃棄物

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、かつて変圧器やコンデンサなどに使われた化学物質で、強い毒性と環境残留性を持つため、現在は厳しく管理されています。 そのため、PCBが付着したり染み込んだりした廃棄物は、特別な扱いが必要になります。

 

たとえば、「紙くず」「木くず」「繊維くず」はオフィスから出た場合は「事業系一般廃棄物」に分類されますが、 PCBが染み込んでいれば、それは「事業系一般廃棄物」ではなく「産業廃棄物」になります。

 

廃棄物の分類は「何でできているか」だけでなく、 有害物質が含まれているかどうかも大きく影響します。 PCBが関わる場合は、通常の処理ルートではなく、 専用の処理施設で適正に処理することが求められます。

【009】事業系一般廃棄物

事務所から出たシュレッダーの紙ごみは、すべて産業廃棄物になるのでしょうか?

 

たとえば、廃油や金属くずなどは、事業所から出ればすべて産業廃棄物になります。 しかし、紙ごみは少し事情が異なり、建設現場や印刷工場など特定の事業から出た場合だけ「産業廃棄物」となります。

 

産業廃棄物は全部で20種類ありますが、そのうち「紙くず」「木くず」「繊維くず」など9種類については、特定の業者(指定業種)の場合以外は「事業系一般廃棄物」として分類されます。

 

事務所や店舗から出る紙くずは一般廃棄物として扱われますので、たとえ建設会社から出たごみであっても、現場ではなくオフィスから出たシュレッターごみなどは「事業系一般廃棄物」となります。

【008】一般廃棄物と産業廃棄物

廃掃法には、ゴミ(廃棄物)を出した者が処分を行う「排出者責任」という基本的な考え方があります。

 

ただ、個人でゴミ処理するのは現実的ではないため、市町村がその役割を担ってきましたが、工業化が進む中で、市町村では処理できない性質の廃棄物が事業活動から生まれるようになります。

 

これを「産業廃棄物」と呼び、家庭から出る「一般廃棄物」とは区別して、排出した事業者が自らの責任で適正に処理することが求められるようになりました。

 

とはいえ、すべての事業者が自社で処理設備を持つのは難しいため、代わりに処理を行う者が許可を受け、回収して処分する仕組みが整えられました。これが産業廃棄物の許可制度です。

【007】専ら物とは?

産業廃棄物を回収したり処分するには許可が必要で、その際には「マニフェスト」という追跡伝票のやり取りをすることが廃掃法で定められています。

 

しかし「専ら再生利用の目的となる廃棄物」については許可やマニフェストは不要、とされています。このような廃棄物のことを専ら物(もっぱらぶつ)といい、古紙、くず鉄、あきびん、古繊維の4品目が該当します。

 

これらは昔から再生利用のルートが確立しているため、通常の廃棄物処理よりも手続きが簡略化されています。

 

しかし産廃となる「専ら物」はあくまでも廃棄物なので、廃掃法の他の規定は適用され、委託契約書の締結などは必要なので注意が必要です。

【006】有害使用済機器

使用済みのモノの中には、資源として価値があっても、火災や環境汚染の危険が高いものがあります。 こうした品目は、「有害使用済機器」として政令で定められ、保管や取扱いに特別な規制がかかります。

 

この制度の特徴は、「 廃家電については、有価物であっても廃棄物処理法を適用する 」という点にあります。 つまり、「家電リサイクル法」の家電4品目と「小型家電リサイクル法」対象の28品目については価値があるモノでも「廃掃法のルート」を適用する、という制度です。

 

有価物か?廃棄物か? その境界にもっとも近い立場にあるのが、「有害使用済機器」という制度です。

【005】家電4品目

廃棄物の中には、処理のルートが法律で厳密に決められているモノがあります。 その代表が、家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)です。

 

これらは「家電リサイクル法」の対象で、壊れた場合は自治体やスクラップヤードではなく、 小売店や指定引取場所へ運ぶなど、決められたルートを通ります。

 

中古品としての価値があればリユース商品として再び世の中に出ますが、 再利用できないものは必ずこの専用ルートで処理されます。

 

家電4品目は、廃棄物の中でも 資源循環の仕組みが、制度によって形づくられています。

【004】おから裁判

「廃棄物」と「有価物」の境界は、価値だけでは決まりません。 そのことを示した例として知られているのが、いわゆる「おから裁判」(最高裁・平成11年)です。

 

豆腐製造で出る大量のおからは、一見すると家畜の餌などに使える資源にも見えます。 しかし、この事件では腐敗しやすく、通常は無償で引き渡され、処理料金を支払って引き取られていたという実態から、最高裁は「廃棄物にあたる」と判断しました。

 

「 廃棄物」か?あるいは「有価物」なのか?は、「物の性状」「排出の状況」「通常の取扱い形態」「取引価値の有無」「占有者の意志」で総合的に判断されます。

【003】廃棄物処理法(廃掃法)

廃棄物処理法は、正式には「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」といい、1970年の制定以来、廃棄物を安全に扱い、環境への影響を防ぐための基本的な仕組みを整えてきました。実務では「廃掃法」と呼ばれています。

 

この法律では、廃棄物を扱う事業者が守るべき許可制度や、保管・運搬の基準、処理施設の構造、安全対策、排出事業者の管理責任などが定められています。

 

ただ、廃掃法の対象となった廃棄物でも、すべてが捨てられるわけではありません。中間処理で破砕や選別を行うことで、鉄やアルミ、プラスチックなどが原材料やエネルギーとして再利用され、資源として生まれ変わるケースは少なくありません。

 

廃掃法は、廃棄物の適正処理と資源循環の両方を支える、実務の前提となる法律です。

【002】廃棄物と有価物

役目を終えたモノの中には、もう一度、世の中に出ていくモノもあります。

 

たとえば、中古品として売買されたり、部品として使われたり、原料として別の製品に生まれ変わるモノなどです。

 

こうした価値のある使用済みのモノを 「有価物 」といいます。

 

ただし、価値がつけば必ず「有価物」になるわけではありません。 たとえば、山積みで雨ざらし、火災の危険が高い状態で保管されていれば、同じモノでも「廃棄物」と判断されることがあります。

 

廃棄物か?有価物か? その境界は、同じモノでも、価格、 状態、扱い方 などによって判断されます。

【001】廃棄物とは?

モノが役目を終えたとき、それがすぐに「廃棄物」になるわけではありません。

 

廃棄物とは一般的に 「占有者が自ら利用し、または他人に有償で売却することができないために不要となったもの」 とされています。

 

しかし、実務ではこの一文だけでは判断できません。 モノの性状、排出の状況、通常の取扱い、価値の有無、事業者の意思。 こうした要素が重なり合って、同じモノでも「資源」にも「廃棄物」にも姿を変えます。

 

廃棄物とは何か?その問いは、資源循環を理解するための最初の入口です。

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