民法を勉強していると、
「善意」「悪意」という言葉が出てきます。
私たちの日常生活の中では、
善意=親切な気持ち・おもいやりの心
悪意=他人をおとしいれようとする邪悪な心
というニュアンスでとらえてしまいます。
しかし民法では、
善意=知らないこと・信じていること
悪意=知っていること・信じていないこと
と、なります。
たとえば、AさんがBさんに飲み会の席で、
「オレの車をタダでやるよ」
と冗談で言ったとします。
AさんはBさんなら冗談だとわかってくれる
と思って言ったのだとしても、
もしこのとき、
BさんがAさんの言葉が冗談だとわからず
心の底から「タダでくれる」と信じた場合、
Bさんは「善意」であるため、
この口約束(契約)は成立してしまいます。
つまり、BさんはAさんに車の引渡しを
請求する権利を得るのです。
逆に、Bさんが、Aさんの言葉を真に受けず
最初から冗談だとわかっていて
信じていなかった、という場合は、
Bさんは「悪意」なので、契約は無効で、
車の引き渡しを請求することは許されません。
それならBさんは、たとえ悪恵だったとしても、
「知らなかった」「信じてしまった」と、
「善意」を主張すればよいのでは?
と思いますよね。
だから、もしこれがこじれて
万が一、争い(裁判など)になった場合、
「悪意」だったか「悪意」だったかが、
争点(裁判などのポイント)となり、
それぞれ主張する証拠などを出して
お互いに戦うのです。