「債権」は、人と人が約束(契約)すると発生して、
債務者が約束(債務)を果たすと、消滅します。
これが基本です。
「契約」以外でも、「不法行為」などがあれば、
「債権」は発生することを前回説明しました。
今回は、「債権・債務」が消滅する原因を考えます。
債務者が約束(債務)を果たすと当然に「債権」は消えます。
約束(債務)を果たして「債権」を消滅させることを
「弁済」といいます。
お金の貸し借りによる債権(金銭債権)でいうと、
お金を返すことが、「弁済」に当たります。
「弁済」以外でも、「債権」を消すことができます。
「弁済」以外で「債権」が消える原因には、
「相殺」「更改」「免除」「混同」「時効」があります。
この中でも「相殺」と「時効」が重要です。
「時効」については、No.17で基本の解説をしているので、
「相殺」について簡単に解説します。
「相殺」は、お互いに貸し借りがある場合に使われます。
「そうさい」と読みます。
たとえば、AさんがBさんに
100万円貸しているとします。
つまりAさんはBさんに
100万円の金銭債権を持っています。
そのあと、BさんはAさんに
100万円の車を売ることにしました。
このとき、BさんがAさんに100万円を返して、
Aさんはその100万円でBさんに車代を支払う、
というように、形式通りのやり取りをしても
全く問題ないのですが、
そんな時間も手間も省いて、
お互いに「弁済」したことにしましょう、
というのが「相殺」です。
いわゆる「いってこい」「プラマイゼロ」で、
債権・債務が消えるパターンです。
「更改」「免除」「混同」については、
別の回で解説いたします。