人に対して、「お金を返せ!」とか、
「約束を守れ!」と言える権利を「債権」といいます。
「債権」は、人と人が約束(契約)すると発生して、
約束を果たすと、消滅します。
これが基本です。
「債権」という権利があると、
約束(契約)した相手に対して主張できます。
ただ、契約以外でも「債権」は発生します。
たとえば、あなたが交通事故に遭ったとします。
あなたは、事故を起こした相手と契約しなくても、
相手に対して「治療費を払え!」と主張できる、
つまり「債権」を得るわけです。
交通事故を起こしてしまうような
他人に迷惑をかける行為を
「不法行為」といいます。
「不法行為」があると契約がなくても
「債権」が生まれます。
他にも「不当利得」「事務管理」という
「債権」の発生原因もあります。
「不当利得」については、
あなたがコンビニでおつりを多くもらった場面を
想像してみましょう。
あなたは「得した」と思って
黙ってそのお金をもらうかもしれませんが、
コンビニの店員には余分なおつりを「返せ」と言える、
つまり返金を請求する「債権」を持ちます。
文字通り「不当」な「利得」だからです。
「事務管理」については、
留守にしている隣の家の窓ガラスが
台風によって割れてしまった場面を想像しましょう。
もちろん、放っておいてもいいのですが、
割れたガラスから、その家に雨が降りこんでいるので、
ガラスの修理を頼んで、代金を立て替えたとします。
あなたは隣の人から頼まれたわけではないのですが、
この場合あなたは、隣の人に立て替えたお金を
請求する権利(債権)を持ちます。
このように、「契約」以外で債権を発生させる原因には、
「不法行為」「不当利得」「事務管理」の3つがありますが、
この3つの中で、宅建試験で出題されるのは、
圧倒的に「不法行為」です。