民法の中の「物権」は10種類です。
その10種類のうち、宅建試験によく出るのが
「所有権」と「抵当権」です。
これらの権利が、生まれたり、
ある人からある人へ移転したり、
消えたりする場面が宅建の問題になります。
たとえば、今まさに建てられてる家は
誰に「所有権」があるのでしょうか?
注文した人のものでしょうか?
注文を受けた工務店のものなのでしょうか?
建てている大工さんのものでしょうか?
実は、建築中の家は、
誰が材料を出しているかによって決まります。
もし、工務店が材料を用意して
家を建てているのであれば、
建てている家の「所有権」は工務店にあります。
この場合、注文した人は、
家が完成して、代金を払って、引渡しを受けてから
やっと、その家の「所有権」を手に入れます。
しかし、ほとんどの注文者は
銀行にお金を借りて、家の代金を払います。
だから、注文者には家の「所有権」はありますが、
その家の「抵当権」が銀行に与えられます。
「抵当権」とは、「人質」ならぬ「物質」です。
注文者が銀行にお金を返さなかったら、
銀行はその家を売って、「お金」にできます。
これが「抵当権」の力です。
このような「所有権」や「抵当権」などが誰にあるか?
ということが、当事者同士にしかわからないと、
その家を買いたい、と思った人は
誰に交渉したらいいか?わかりません。
あるいは、もし買ったとしても、
銀行の「物質」になっている家だったら
とても困ります。
だから、「所有権」や「抵当権」を
登録するシステムがあります。
これを「登記」といいます。
「登記」をすることで、
「この家は、オレのものだ!」
「私が抵当にとっている!」と、
周りの人にアピールすることができるのです。
だから、「登記」をしていないと不利になることもあります。
そういったことも
宅建試験の「物権」のポイントになります。