「連帯保証人」に関する改正(改正民法の注意点)
今すぐ始められる空き室対策【No.42】

「極度額の設定」とは?

■賃貸住宅経営セミナー【詳細編㉒】

 2020年4月に施行された改正民法の中には「連帯保証人」に関する条文がいくつか見られます。「連帯保証人」は賃貸経営に影響を与えるものです。中でも重要なのが「極度額の設定」です。

 

 条文のタイトルも、旧民法では「貸金等根保証契約」だったのが、改正民法では「個人根保証契約」と変更され、この規定を個人根保証全般に適用させることになりました。

 

(個人根保証契約の保証人の責任等)

第465条の2

1.一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であって保証人が法人でないもの(以下「個人根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。

2.個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。

3.第四百四十六条第二項及び第三項の規定は、個人根保証契約における第一項に規定する極度額の定めについて準用する。

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「極度額」設定の影響と対策

 入居者に家賃滞納や損害賠償が発生し、本人が払えない場合に代わってその費用を負担するのが「連帯保証人」です。「極度額」とは、その最大負担額です。つまり、これから連帯保証人は入居者の債務を無限に保証するのではなく、契約書に定められた「極度額」を限度として責任を負うわけです。

 

 賃貸契約書にこの「極度額」が定められていなければ、その「保証契約」自体が無効となってしまいますので必ず記載しなければなりません。このことによって、これから連帯保証人を引き受けてくれる人が少なくなるかもしれません。

 

 無限に保証しなくてもよくなったので、逆に連帯保証人を引き受けてくれる人が増えそうです。しかし、これは引き受ける側の心理の問題です。

 

 「極度額」は、「家賃の24ヵ月分」とか「金200円」とか定めると思います。それが連帯保証人に心理的に大きな負担になります。

 

 たとえば、これまでは「家賃8万円のアパートの連帯保証人」という感覚だったのが、「極度額 200 万円の連帯保証人」となるわけです。金額が具体的になる分、負担が重くなった気がします。だから、あまりにも「極度額」が負担だと思われると、連帯保証を断られるかもしれない、というわけです。

 

 ただ、この「極度額」の定めは「個人保証」の場合のみです。「家賃保証会社」を利用する場合は適用外なので、その場合は「極度額」を定める必要はありません。「家賃保証会社」には「極度額」は定めないので、発生した滞納家賃や損害賠償、利息まで全額保証してもらえます。

 

 これまで「家賃保証会社」を使ったことがない、という大家さんもいらっしゃるかと思います。これから保証会社を選ぶという場合は、国交省が運営する「家賃債務保証業者登録制度」に登録している会社から選びましょう。その上で、補償内容をしっかり確認してください。

 

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