「修繕費」と「減価償却費」(コストをかけない経営力)
今すぐ始められる空き室対策【No.30】

資本的支出の特例を利用する

■賃貸住宅経営セミナー【詳細編⑩】

 資本的支出の場合、原則的には減価償却費となるのでその年に必要経費として計上することはできません。しかし、これにも特例があります。グレードを上げるメンテナンスでも、費用が 20 万円未満であれば「修繕費」として「必要経費」にできます。

 

 また20 万円以上でも、3 年以内の周期で行われていれば、これも「修繕費」となります。これを「少額または周期の短い費用の特例」といいます。 外壁などまだ綺麗なのに、マメにメンテナンスしている賃貸物件を見かけます。そのような建物の大家さんは、この特例を利用しているわけです。

 

 「修繕費」として必要経費になるか?「資本的支出」として減価償却費になるか?見分け方をまとめます。

 

 まず、20 万円以下だったら無条件で「修繕費」です。つまり「必要経費」になります。たとえ、100 万円でも、しっかり修繕計画を立てて 3 年以内の周期でメンテナンスや部品交換を行えば「修繕費」として「必要経費」に計上できます。

 

 20 万円以上で 3 年を超える周期で行われた修理・修繕は、あきらかに「原状回復」か、あきらかに「価値向上」かで判断します。「現状回復」であれば「修繕費」、「価値向上」ならば「資本的支出」です。

 

 とは言っても、世の中には必ず黒白つかないグレーゾーンが存在します。そして、この「修繕費」と「資本的支出」の区分は税務調査でもグレーゾーンが問題になりやすい勘定科目です。

 

 グレーゾーンは「形式的基準」といもので判断します。しかし、これは税務の専門家でも迷うことが多いので、あまり深入りしないで内容だけ確認してください。もし、このグレーゾーンのメンテナンスを行う場合は、専門業者に相談することをお勧めします。

 

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