人が全く住んでいない家、いわゆる「空き家」が増えています。もちろんこれは賃貸住宅に限った問題ではありません。農村部だけの問題でもありません。都市部を含めた日本全体で住宅が余っています。その中には相続された家もあります。相続しても誰も住まないまま「空き家」になっているのです。
相続人も不動産会社も管理していない「放置物件」は危険です。シロアリ被害で倒壊するかもしれません。近隣に住んでいる人たちは毎日不安を感じています。犯罪者の温床になる可能性もあり、防犯上の問題も指摘されています。
では、いつ頃から「空き家」が問題になったのか?「空き家数・空き家率の推移」を確認します。「空き家」が増え始めたのは今から 50 年ほど前です。
これより前は、逆に「住宅不足」が問題になっていました。高度経済成長が始まった頃までは、住宅数より世帯数の方が多かったのです。その頃は「住む家がない」という家族が何組もいました。何組かの兄弟姉妹の家族が「しばらく実家に間借りする」ということが普通にあった時代です。
高度経済成長が終わる頃から住宅供給が進み、「住宅不足」が解消されます。これにより「空き家」が増え始めました。現在の空き家率は 13.5%で、7 軒に 1 軒が「空き家」です。この 20 年で 2 倍近く増えています。20 年後にはこの空き家率が 30~40%になると予測する人もいます。実はこの「空き家」の半分が賃貸住宅の「空き室」です。