敷金から修繕費を差し引く(賃貸住宅経営の経費削減術)
今すぐ始められる空き室対策【No.14】

敷金トラブルは退去時ではなく契約時の問題

■賃貸住宅経営セミナー【概要編⑭】

 「部屋の壊れたところや汚れたところのメンテナンスは入居者の負担」という契約をしていても、実際にはオーナーさんが修繕費を敷金から差し引くことが難しくなっていました。「消費者契約法」という法律で、入居者に不利な契約は無効にできる、という「後出しじゃんけん」を裁判所が認めていたからです。これには平成10年に始まった「少額訴訟制度」により、簡単に訴訟ができることも後押ししていました。

 

 それで泣き寝入りするオーナーさんも多かったのですが、平成23年に最高裁判所がこの「後出しじゃんけん」を否定する判決を3件出しました。  このとき問題になったのが「敷引き特約」という契約内容です。これは、部屋の損傷や劣化の状態に関係なく「住んだ年数に応じて、当然に敷金から差し引く」という関西地方に多い特約ですが、「これは入居者に不利な契約なので無効だ」という訴訟を最高裁が退けたので、これ以降はすべてではありませんが、これまでのような「後出しじゃんけん」が認められにくくなりました。

 

 だから契約書を工夫すれば、敷金から修繕費やクリーニング費用をしっかり差し引くことができます。敷金から何を差し引くか、いくら差し引けるかはすべて契約書で決まるのです。敷金トラブルは出口(退去時)の問題ではなく、入口(契約時)の問題です。契約内容を入居者にしっかり説明しておくことで、トラブル発生の可能性を減らすことができます。

 

 敷金から修繕費を差し引くためには、入居時と退去時はオーナーさんも必ず立ち会って、壊れたところ、汚れたところがないか?入居者といっしょに確認することも大切です。レンタカーを借りるときと返す時に、必ずキズの確認をしますが、それと同じことをしなければなりません。なぜならば、修繕費を請求するとき、入居者が壊したとか汚したということを証明する義務は賃貸人であるオーナーさんにあるからです。だから、入居時、退去時に必ず立ち会って、間取り図を使って、キズ、汚れを確認して記録し、それらを書面に残し、写真に撮って入居者から署名捺印をもらうなど証拠を残しておきましょう。

 

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