敷金返金を見直す(賃貸経営の経費削減術)
今すぐ始められる空き室対策【No.13】

敷金返金トラブルの沿革

■賃貸住宅経営セミナー【概要編⑬】

 入居者から預かっている敷金は、特に何もなければ退去時に全額返金しなければトラブルになる、と思われている方も多いと思います。たしかに家賃の滞納や修繕費がなければ基本的に敷金は全額返金することになっています。家賃の滞納があれば、もちろん敷金から滞納分を回収することになりますが、問題は修繕費です。法律的には入居者の故意・過失による破損は入居者負担、通常の損耗・経年劣化は賃貸人であるオーナーさんの負担になる、とされています。しかし、これらも契約の特約で入居者負担にすることもできます。

 

 たしかに数年前までは、敷金に関するトラブルが多くて、たとえ敷金から修繕費を差し引いたとしても、あとから「引いた敷金を返せ」という敷金返金請求の訴訟が増えていました。この背景として、平成10年に始まった少額訴訟制度と、平成13年に施行された消費者契約法があります。特に消費者契約法が問題で、消費者に不利な契約を無効にできる、つまりオーナーさんに有利な契約・条項を無効にできる、という法律なのです。

 

 それを根拠に、契約するときには承諾していたこと、たとえば、契約で「壊れたところや汚れたところは、賃借人が退去時に費用負担してきれいにしてください」と約束して、納得して部屋を借りたにもかかわらず、退去するときになって「それは無効だ」と主張する、いわゆる「後だしじゃんけん」のようなことを法律で認めてしまったのです。

 

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