監理技術者は元請工事の現場を担当する技術者であり、一定規模以上の工事では専任で配置することが求められています。
従来は兼任がほとんど認められていませんでしたが、近年の制度改正により運用が大きく変わりました。
● 専任が必要となる工事
公共性のある施設や工作物の工事で、請負金額が4,500万円以上、建築一式工事では9,000万円以上となる場合、その現場には主任技術者または監理技術者を「専任で」配置する必要があります。
監理技術者が配置される場合は、原則としてその現場に専念することが求められてきました。
● 改正前の扱い
主任技術者は近接関連工事であれば複数現場を兼任できましたが、監理技術者にはこの例外が認められていませんでした。
兼任が可能となるのは、1級施工管理技士補を現場に専任配置した場合のみで、監理技術者自身は原則として兼任できない扱いでした。
● 改正後の新しいルール(専任特例1号)
2024年12月13日の建設業法改正により、監理技術者の専任義務が大きく見直されました。
新設された「専任特例1号」により、技士補がいなくても、一定の条件を満たせば監理技術者が2つの現場を兼任できるようになりました。
対象となるのは、請負金額が1億円未満(建築一式は2億円未満)の工事で、現場間の距離が近く1日で巡回できること、ICTを活用して施工状況を確認できること、発注者の承諾を得ていることなどが条件となります。
● 専任制度の合理化
この改正により、監理技術者は「専任でなければならない」という従来の考え方から、現場管理が適切に行える体制であれば兼任も可能とする方向へと変わりました。
元請としての責任が重いことに変わりはありませんが、実務に合わせた柔軟な運用が認められるようになっています。
【建設業許可クイズ】の正解:A
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