建設業許可を取得するには、6つの要件を満たす必要があります。そのうちの一つが「財産的基礎」。
建設業は高額な請負契約が多く、工事途中で業者が倒産してしまうと、発注者や下請業者に大きな損害が生じます。
そのため、許可申請時には「金銭的信用=財産的基礎」があるかどうかが審査されます。
● 一般建設業許可の財産的基礎の要件
以下の3つのうち、いずれか1つを満たしていればOKです。
① 純資産額が500万円以上あること
② 預金残高が500万円以上ある、またはそれを借りられること
③ 更新申請であること(毎年決算届を提出している場合)
①は決算書の「貸借対照表」、②は「預金残高証明書」や「融資証明書」などで証明します。
②の証明書は金融機関発行のもので、発行日から1ヶ月以内のものが求められる自治体が多いため、申請直前に取得するのが望ましいです。
③は更新実績そのものが信用とみなされ、証明資料は不要です。
● 決算期未到来の場合の対応
新規設立などでまだ決算期を迎えていない場合は、決算書による証明ができません。
この場合、資本金が500万円以上であれば、①の証明になります。こちらは、開始貸借対照表という資料を作成して提出し、登記事項証明書や定款で確認されます。
資本金が500万円未満の場合は、②の「預金残高証明書」または「融資証明書」によって、500万円以上の資金を保有・調達できることを証明します。
● 特定建設業許可の財産的基礎の要件
特定建設業は、下請業者に4,000万円以上(建築一式は6,000万円以上)の工事を発注する元請業者が対象となり、より厳しい財務基準が求められます。
以下の4つすべてを満たす必要があります。
① 資本金が2,000万円以上
② 純資産額が4,000万円以上
③ 欠損金額が資本金の20%を超えていない
④ 流動比率が75%以上
※すべて決算書の「貸借対照表」で確認されます。更新時でも証明資料の提出が必要です。
※欠損金額=A÷B×100
(Aについて)
法人の場合・・・繰越利益剰余金の負の額-(資本剰余金+利益準備金+その他利益剰余金(繰越利益剰余金を除く))
個人の場合・・・事業主損失-(事業主仮勘定-事業主貸勘定+利益留保性の引当金+準備金)
(Bについて)
法人の場合・・・資本金
個人の場合・・・期首資本金
※流動比率=流動資産 ÷ 流動負債 × 100
● よくある注意点
・直近の決算で要件を満たさない場合は、増資や新規申請への切り替えが必要になることも
・預金残高証明書は「1ヶ月以内」の発行が求められる自治体が多く、有効期限切れに注意
・更新申請でも特定建設業の場合は証明資料が必須
● まとめ
財産的基礎は、建設業者が「請負契約を履行できるだけの金銭的信用」を持っているかを判断する重要な要件です。
一般建設業と特定建設業では求められる基準が異なり、証明方法も変わります。
決算期未到来の場合でも、預金残高証明などで対応可能です。申請前に自社の財務状況を確認し、必要な資料を整えておきましょう。
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