建設業許可には「一式工事」と「専門工事」があり、解体工事業はそのうちの専門工事(27業種)のひとつです。
「解体工事」とは、建築物や工作物を取り壊す工事を指します。
平成28年の制度改正により、それまで「とび・土工工事業」に含まれていた解体工事が、独立した業種として新設されました。
木造住宅の取り壊しから、鉄骨造・RC造の建物の解体、擁壁や基礎の破砕まで、構造物の除去を目的とする工事が対象となります。
●解体工事業の対象となる工事
解体工事業の対象となるのは、建築物や工作物の取り壊しに関する工事です。
たとえば、木造住宅の解体、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物の撤去、倉庫や工場の取り壊し、擁壁・基礎の破砕、構造物の一部除去などが該当します。
これらの工事は、構造物の安全な除去を目的としており、重機の使用、仮設足場の設置、廃材の分別・搬出などを伴う場合もあります。
施工には、周辺環境への配慮や法令遵守が求められるため、専門的な知識と経験が必要です。
●注意点
解体に関する工事であっても、施工の中心内容によっては、他の業種に該当する場合があります。
たとえば、建物の解体と同時に新築工事まで一括して請け負う場合は、「建築一式工事業」として申請する必要があります。
また、仮設足場の設置や重機による掘削・整地が中心となる場合は、「とび・土工工事業」に分類されることがあります。
設備機器の撤去のみを行う場合は、「電気工事業」や「管工事業」など、対象設備に応じた業種で申請することが適切です。
申請時には、契約書や見積書の記載内容をもとに、工事の中心が何かを整理しておくことが重要です。
主たる工事の判断を誤ると、誤った業種で申請してしまい、許可が下りなかったり、施工後に行政指導を受けたりするリスクがあります。
●まとめ
・解体工事業は、建築物や工作物の取り壊しを行う専門工事業種です
・対象となる工事には、木造・鉄骨造・RC造の建物の解体、擁壁・基礎の破砕などが含まれます
・施工内容によっては、建築一式工事業やとび・土工工事業、設備系の専門工事業に該当することもあります
・工事区分の判断には、契約内容や施工範囲の明確化が欠かせません
・申請前に主たる工事を整理し、適切な業種で申請することが重要です
解体工事に関するさらに詳しい解説は、【No.137】解体工事について解説をご参照ください。
【建設業許可クイズ】の正解:A
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