建設業許可の27種類の専門工事のうちの「しゅんせつ工事」を請け負う業種を「しゅんせつ工事業」といいます。「しゅんせつ工事」とは、「河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事」とされています。
「しゅんせつ」という言葉はあまりなじみがありませんが、漢字では「浚渫」と書き、海や河川、運河などの水底をさらって土砂をすくいとることを言います。
河川では、上流から土砂が流れてきて堆積するため川底が浅くなり川の流れが悪くなるので、流量を確保するために「しゅんせつ工事」を行います。また、河口部や港湾では海底に土砂がたまると、船が通るときに、おなかをこすったり座礁たりしてしまうので、船の安全な航路を保つために「しゅんせつ工事」を行います。
「しゅんせつ工事」の工法には、「ポンプしゅんせつ工法」と「グラブしゅんせつ工法」という2つの工法があります。
「ポンプしゅんせつ工法」は、主に広い範囲で、大量のやわらかい土砂を取り除くときに使われる工法です。船の先端についた吸水管でストローのように土砂と海水を一緒に吸い上げて海底を掘り下げる工事です。
「グラブしゅんせつ工法」は、グラブバケットというショベルを水底におろして、クレーンゲームのように土砂をつかみ取って掘り下げる工事です。「ポンプしゅんせつ工法」よりも固い土を取り除くことができ、岸壁などの構造物の近くや狭い場所での工事も可能ですが、作業に時間がかかり、広い範囲を工事するのには向いていません。
「しゅんせつ工事」については、工事例も「しゅんせつ工事」のみで、他の業種との区分も明確なので特に記載はありませんが、陸上から掘削機で施工する工事の場合は『とび・土工工事業』にあたることもあります。
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