「軽微な工事」の場合は、建設業許可を取得する義務はありません。ただ、電気工事、解体工事、浄化槽工事の場合、いい加減な業者に発注してしまうと、発注者だけでなく近隣住民にも大きな迷惑や被害を与えてしまう可能性があるため、建設業法における「建設業許可」とは別に、たとえ「軽微な工事」しか請け負わなくても、他の法律による登録や届出の義務があります。
電気工事を施工する場合は、「電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)」で電気工事業者登録や通知義務が規定されていて、請負金額や建設業許可の有無に関係なくこれらの手続きが必要です。
また、解体工事を請け負う場合は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」による解体工事を営むものとして、解体工事を行う都道府県知事から解体工事の登録を受ける必要があります。これは電気工事とは異なり、建設業許可があれば登録は不要で、全国どこででも解体工事を請け負うことができます。
また、下水処理に係る施設は公共衛生に大きな影響が及ぼしますが、未だに公共の下水道が整備されていない地域もあります。そのような地域で下水処理に利用されているのが「浄化槽」です。 「浄化槽」は地中に埋められたタンクで、そこに汚水などを流し込み、塩素や微生物で浄化してから河川などに流す、という設備です。
この浄化槽を設置する工事や保守点検をする場合も、請負金額に関係なく「浄化槽法」による浄化槽工事業者登録、浄化槽保守点検業者登録、特例浄化槽工事業者届出が必要となります。
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