一見「建設業」ではないように見えて、実は「建設業許可」の対象となる場合があります。たとえば、住宅設備を販売している会社が、システムキッチンやユニットバスを500万円以上で据え付ける場合、「とび・土工工事業」「管工事業」「内装仕上工事業」などの許可が必要になります。それとは逆に、一見「建設業許可」の対象であるように見えて、実は「建設業」とはみなされない業種もあります。
典型的な例は、船や飛行機の内装工事や塗装工事です。客室の内装工事は「内装仕上工事業」、船体・機体の塗装は「塗装工事業」に該当しそうですが、船や飛行機は「土地の定着物」ではないので「建設業」になりません。だから、「建設業許可」がなくても営業できますが、もし、船や飛行機以外の仕事も請け負うため「建設業許可」を申請したい、と思っても、これらの仕事経験は「建設業許可」の実務経験にならないので許可取得が難しくなります。
また、建築工事で工事に必要な線・形・寸法を表示する「墨出し工事」も、現場において「建設業」と密接に関わる作業なので、当然「建設業許可」の対象になるかと思われます。事実、平成19年までは「とび・土工工事業」に含まれていましたが、現在では「建設業」とはみなされていません。だから、船・飛行機の内装・塗装と同様に、「墨出し工事」だけを行うのであれば「建設業許可」は必要ありませんが、許可を取得する場合は、これらの経験が実務経験としてカウントされないので、「建設業」の別の業種の経験か資格が必要になります。
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次回より「詳細編」