建設業許可を持つ事業者が事業をやめたときは、原則として30日以内に「廃業届」を提出します。
許可を返上するだけの手続きと思われがちですが、届出を怠ると“許可だけが残る”状態となり、後々の転職・独立・再許可取得に不利になることがあります。
● 廃業届が必要となる主なケース
廃業届は、事業をやめたときだけでなく、法人の解散や相続など、事業主体が変わる場合にも必要です。
なお、個人事業主の死亡のみ「相続人がその事実を知った日から30日以内」という特例があり、実務上は重要なポイントです。
【届出事由と届出義務者】
・建設業を廃業したとき … 役員(個人は事業主)
・法人が解散したとき … 清算人
・法人が合併で解散したとき … 元役員
・個人事業主が死亡したとき … 相続人(知った日から30日以内)
また、許可業種の専任技術者が不在となり、2週間以内に後任を置けない場合は、その業種について「一部廃業」の届出が必要です。
さらに、経営管理態勢(旧・経営業務管理責任者)の要件を欠いた場合は、許可全体の廃業届が必要となることがあります。
● 廃業届を放置すると何が起きるのか
廃業届を出さずに放置すると、許可は形式上残り続けます。
その結果、経営管理責任体制や専任技術者が“書類上は常勤”のままと扱われ、転職や独立の際に新しい会社で要件を満たせない、という問題が生じます。
また、無届のまま放置した結果、行政庁の調査で「許可要件欠如」と判断されて取消処分となると、再許可が不利になる(行政庁の不信につながる)という実務上のリスクがあります。
欠格期間を一律に「5年」と定める明確な条文はありませんが、“自主的な廃業”と“処分による取消”では、その後の扱いに大きな差が出るという点は全国的に共通した実務感です。
● 廃業届は“許可をきれいに終わらせる”ための手続き
廃業届による許可取消は欠格要件には該当しないため、500万円未満の軽微な工事は続けられますし、再度許可を取得する際もスムーズです。
だからこそ、廃業・解散・相続などの事由が発生したときは、期限内に届出を行い、許可を適切に整理しておくことが大切です。
【建設業許可クイズ】の正解:C
←prev.【No.100】「変更届」を軽く考えてはいけない理由
next→【No.102】建設業許可の「許可換え制度」とは?