建設業許可を維持するためには、5年ごとの更新や毎年の決算変更届だけでなく、建設業法で定められた「届出事由」に該当したときの変更届が欠かせません。
提出期限が短いものも多く、遅れると許可の継続に影響するため、日常の変化に早めに気づくことが大切です。
● 届出が必要となる主な変更
変更届には、事実発生から2週間以内に提出するものと、30日以内に提出するものがあります。いずれも「事実が発生した日」から起算されるため、気づいた時点で速やかに確認する必要があります。
【提出期限:事実発生から2週間以内】
常勤役員等(旧・経営業務の管理責任者)の変更、健康保険・厚生年金・雇用保険の加入状況の変更、専任技術者の変更、令第3条の使用人(支店長等)の変更、常勤役員等や専任技術者に欠員が生じた場合、欠格要件に該当した場合が該当します。
なお、経営業務の管理責任者については2020年の法改正により「経営管理態勢」として柔軟に評価されるようになりましたが、変更があった場合の届出期限は従来どおり2週間以内です。
欠員が生じた場合は、欠けた事実を届け出る制度ではなく、速やかに後任を選任し、2週間以内に変更届を提出する必要があります。
【提出期限:事実発生から30日以内】
商号や名称の変更、営業所の名称・所在地・追加・廃止、資本金の変更、役員の変更(代表者・就任・辞任・退任・氏名変更)、個人事業主の氏名や支配人に関する変更などが含まれます。
● 変更届を軽く考えると危険な理由
これらの変更は、許可要件そのものに関わるものが多く、届出を怠ると「許可を持っているつもりでも、実は要件を満たしていなかった」という状態が生まれます。
特に社会保険の加入状況は現在は許可要件化されており、未加入への変更は届出以前に是正指導や更新不可につながるため注意が必要です。
営業所の移転や役員変更など、日常的に起こりやすい内容ほど後回しにされがちですが、届出が遅れると大きなトラブルにつながります。
● 届出遅れが招くリスク
営業所の所在地変更を届け出ていない場合、行政庁からの通知が届かず、官報や広報で「所在地不明のため届け出るように」という公告が出されます。
通常は公示や催告、弁明の機会を経て判断されますが、最終的に許可取消となることがあります。
また、常勤役員等や専任技術者の欠員を放置すると、後任を2週間以内に届け出られず、許可取消事由に該当することがあります。
● 変更届は“更新よりも期限が短い”ことを忘れずに
更新申請は原則として満了日の30日前までですが、変更届は2週間以内や30日以内と、はるかに短い期限で動きます。
役員変更、営業所移転、専任技術者の退職、社会保険加入状況の変更などが発生した場合は、その日のうちに届出の要否を確認する体制が欠かせません。
日常の小さな変化ほど、早めに手続きにつなげることが、許可を安定して維持するための一番のポイントです。
【建設業許可クイズ】の正解:B
←prev.【No.99】許可の更新期間を過ぎたらどうなるのか?
next→【No.101】「廃業届」を放置してはいけない理由(未公開)