レストランでメニュー選びにかなり時間がかかることがあります。特に初めて入ったお店だとなおさらです。心の中では「これも食べたいけど、あれも捨てがたい」という気持ちと同時に、「これを選ぶと、あとで後悔するかも…」という意識も芽生えます。
人は何かを購入するときには「買った後に後悔するかも…」「自分に合わないかも…」という不安が芽生えます。これを「マッチングリスク意識」といいます。これは買い物の対象が高価になるほど起こる心理現象です。
だから、お客様がいくらあなたの売る商品・サービスに興味を持ったとしても、「あとで後悔したら嫌だから今回はやめる」という選択をしてしまうかもしれないのです。このような機会損失をしないように、お客様の不安を減らす工夫が必要です。
お客様の不安を減らす工夫として「無料サンプル」を用意することが考えられます。電子書籍などで冒頭の数ページを無料で閲覧させる「試し読み」や学習塾・予備校などの「お試し授業」などもこの「無料サンプル」と考え方は同じです。
あとは、「返金・返品保証」や「充実したアフターサービス」を謳うなどが考えられますが、お客様の不安を軽くするのに一番効果的なのは、「ウィンザー効果」を利用して第三者のレビューや口コミを発信することです。
可能であればOB顧客やリピーターの顔写真付きで「お客様の声」を拡散することができれば、何よりの「マッチングリスク意識」対策となり、迷っているお客様の背中を押してくれるでしょう。
←prev.【No.55】人は自分の行動を「正当化」するために記憶を書き換える
next→【No.57】人は先に何かをしてもらうと「お返し」をしたくなる
