情報の伝え方で、与える「印象」をコントロールする
会社経営のヒント【No.45】

「経営者はコドク」と思ったら読むコラム

心理学編(11)フレーミング効果

 たとえば受験生が、指導してくれている先生に、受験日まで「あと1カ月しかない」と言われるときっと焦ると思います。しかし、「あと1カ月もある」と言われると逆に余裕が生まれる、ということがあります。「ない」ことにスポットを当てるか?「ある」ことを強調して伝えられるか?で受ける印象が変わります。

 

 強調する部分を少しズラすことで、相手の印象をコントロールすることができます。これは写真や絵の枠組みを決める「フレーミング」と似ています。同じ風景でもどこを強調して見せるかで与える印象が変わるので「フレーミング」はとても大切です。

 

 このように同じことでも表現が少し変わることで印象が左右される心理現象を「フレーミング効果」と呼んでいます。スポーツの試合などで、全試合引き分けているチームが「全戦無敗」とアピールした方が強そうに聞こえますよね。

 

 ビジネスでは、たとえば、「1g」を「1,000mg」と表記したり、「90%」を「10人中9人」と表現を変えることもあります。同じ数字でも表記の仕方で与える印象を変えるわけです。メリットを強調することが多く、たとえば「80%のユーザーが満足した」というキャッチコピーにはしても、決して「20%は満足しなかった」とは表現しません。

 

 他にも「1割引き」ではなく「10,000円分買うと1,000円キャッシュバック」としたり、「半額」という代りに「2個買うと2個目は無料」というように、「お金をもらえる」とか「お金を払わない」という印象でお得感を出すこともあります。

 

 「フレーミング効果」はマーケティングだけでなく、日常においても意識する必要があります。社内の人間関係などでも、同じことでも「言葉遣い」を間違えると「フレーミング効果」によって大きな誤解を生むことがあります。

 

 たとえば、あなたが部下に仕事を頼むときに、「キミがいい」と言ったときと「キミでいい」と言ったときでは、与える印象はどうでしょう?きっと部下の「やる気」にも影響するのではないでしょうか?言葉には見えない力が宿っている、いわゆる「言霊」なのです。

 

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会社を含めた組織を運営・経営していると、予期しない様々な壁にぶつかり、どちらに進むべきか?どのように対処するべきか?という判断に迫られることが多いものです。

 

私自身も行政書士事務所を運営し、会社経営・マーケティングを学びながら、多くの経営者様の経営サポートをさせていただいております。

 

そのような経験やその中で考えたことをご紹介することで、少しでも組織経営のヒントをご提供できれば、と思いこの記事を書いております。

 

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