人は常に様々な情報に触れていますが、それらをすべて一度に処理することはできません。だから人の脳は、無意識のうちに情報にランクをつけて、上位ランクの情報を拾うようにプログラムされているのだそうです。
たとえば、どんなに騒がしいところにいて、特に意識していなくても、自分の名前や自分の悪口は自然と耳に入ってきます。人にとって自分に関する情報は、最上位にランキングしているからです。
このように、どんなに騒がしい場所にいても、興味・関心がある情報は耳に入って、つい注意を払ってしまう現象を「カクテルパーティー効果」といいます。立食パーティーのような多くの人が雑談してにぎやかな場所でも、必要な情報は特に意識していなくても聞こえてくることからこの名前がつけられています。
これをビジネスで応用します。たとえば、1対1の営業において、大切なことを伝えるときに相手の名前を呼ぶと、相手の注意をより強く引き付けることができます。不特定多数に広告などで伝えるときは、「50代男性の方必見!」など、ターゲットをしぼって伝えると「自分事」として読んでいただける確率が高まります。
名前だけでなくても、マーケティングでは常に、売りたい相手の興味や関心をキーワードにして施策を構築します。たとえば、相手が飲食店のオーナーだったら、「飲食店の集客方法」「カフェ・レストランのSEO対策」など、営業成績を上げたい営業マン対象であれば、「売上を上げる営業術」「営業力を強化する3つの方法」などのキーワードを使います。
売りたい相手が何に関心をもっているのか?という「お客様の視点」に立って考えることがポイントになります。
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