「お客様の視点」から考えると、できるだけ高品質のモノを低価格で買いたい、と思うのは当然です。
売る側から考えると、できるだけコストをかけずに商品やサービスを提供して高価格で売った方が利益が出るのですが、価値以上に高価だと思われると売れません。だから、経営者は「価格設定」に慎重になります。
ところが、高いほど売れる、という不思議な現象が起こる場合もあります。
たとえば、日頃から買いたいと思っている高価な財布があって、ある目標を達成したら、その財布を「自分へのご褒美」として買う、と決めていいたとします。そして努力の末、目標を達成して、その財布を買いに行ったところ、なんと、その日はバーゲンで50%OFFで売っていました。
もし、これがあなたなら、どんな心境になるでしょうか?ラッキー!と心の底から思えますか?なんだか自分の努力の価値が下がったような気になりませんか?
人は、大切な人へのプレゼントを買う時でも、大切な日に飲むワインを買う時も、価格が高いほど、その人、その時間の価値が高くなった気分になる、という不思議な習性があります。このような商品は価格が高いほどありがたいのです。
商品だけでなくサービスでも、たとえば価格の低い学習塾や予備校より、ある程度高額な学習塾、予備校の方がグレードが高い気がしないでしょうか?
あなたが売る商品・サービスがどのような場面でお客様に選ばれるのかを想定することも、マーケティングでは不可欠なのです。一概に「安ければいい」というわけではありません。