「売れるしくみ」をつくるとき、心理学や動物行動学をヒントにしている例は少なくありません。広告心理学、販売心理学、という言葉もあるくらい、マーケティングや営業においては、心理、つまり、人間の「脳」の動きを考えることはとても大切だと思っています。
どうしたら売れるか?どういうモノが売れるか?を考える前提として、「人はどういうときに行動するのか?」を考えます。
人に限らず、すべての動物は「不快を避けるため」か「快楽を得るため」に行動します。たとえば、部屋が汚いとき、人は不快を感じます。だから掃除を始めます。部屋がきれいだと快楽を感じるから掃除をする、という人もいるでしょう。
部屋がどれだけ汚くても掃除をしない人もいますが、そんな人は、部屋が汚いことよりも、掃除をすることに不快を感じているのです。それでも、自分の身の危険を感じるほど汚くなれば掃除を始めるはずです。
おいしいものを食べたい、他人に認められたい、と思うのは快楽を得たいからであり、危ないところに行きたくない、恥をかきたくない、と思うのは、不快を避けたいからです。だから、どうしたら売れるか?どういうモノが売れるかを考えるときは、「それを買えば、快楽を得られる」「それにお金を払えば、不快を避けられる」とイメージさせる「しくみ」や「モノ」をつくらなければならないのです。