創業融資においては、やはり借り手である創業者の「信用」が大切で、それは「自己資金」の額だけではなく、これから参入する業種での経験や知識が「能力」として評価されます。ただ、自己資金があって、経験や知識があるからといって「借りたいだけ借りる」というのは無計画すぎます。多く借りれば借りるほど、元金はもちろんですが利子も大きくなります。これから借りようとしているお金は本当に必要な資金なのか?冷静に考えてみましょう。もちろん想定外の経営危機に備えて金融機関とのつながりを保っておくことも大切ですが、無駄に借金をしてしまうと、その借金自体が経営を逼迫させてしまう可能性も否定できません。
融資を受ける際は、何に使うお金を借り、どのように返済していくのか?借入期間や返済方法なども盛り込んだ「事業計画」をしっかり立てて検討しましょう。この「事業計画」はある意味、融資においては「自己資金」や「能力」よりも大切かもしれません。なぜなら、この数年で融資の際の審査において、担保・保証重視から「事業性評価」重視へ大きく転換しているからです。
「事業性評価」とは、簡単にいうと「事業計画書」の内容から、そのビジネスモデルの成長の可能性を評価するもので、これまでのように、担保・保証に依存した審査からの脱却を意味します。この転換の流れ自体は10年以上前から言われていたのですが、2015年頃から金融庁が本気で取り組み、金融機関もそれに応じて体制を整えた結果、融資の審査においては「事業計画書」の内容に比重が置かれ、その事業の成長の可能性が大きく評価されることになりました。だから、融資を申し込む際は、しっかりとした事業計画を立てて、事業に必要な金額やキャッシュフローを盛り込んだ「事業計画書」を作成し提出する必要があります。