これから開業をする方にとって、参入する市場の状況はもちろん気になると思いますが、それよりも資金についての不安が大きいのではないでしょうか?特に創業融資でいくら借りられるのか?というのはもっとも関心のある話題かと思います。
創業時の融資額については様々なことが言われており、「自己資金の10倍までは借りられる」という人もいれば、「いや、自己資金の5倍借りられればいい方で、基本的には3倍くらいまで」という人もいます。しかし、私が開業する方や事業承継した方の融資のお手伝いをしている感覚からすると、必ずしも自己資金の額だけで決まるわけではなさそうです。
たとえば、もしあなたが誰かにお金を貸すとして、貸す相手が1万円しか現金を持っていないとします。その場合、あなたはいくらまで貸しますか?10倍の10万円ですか?それとも5万円?3万円?という話と同じで、あなたが気になるのは、おそらく自己資金の額ではなく、「貸したお金が返ってくるのか?」というところではないでしょうか?
同じ自己資金1万円の人でも、貸したお金が生活費で消えてしまうようだったら1円も貸したくありませんが、その1万円を資金にしてお金を増やせそうな人であれば、投資する気持ちになるかもしれません。さらに、どのようにして増やすか?の計画を明確にしてくれれば、投資額も多くなるでしょう。
創業時の融資額についても、それと同じで、やはり借り手の「信用」によって変わります。自己資金の額もその「信用」の1つですが、それだけではありません。次回からそのあたりについてくわしくお話していきます。